【Vol.11】不安を抱えたケアラーに、セルフコンパッションが必要な理由

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家族支援自分軸
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前回(vol.10)では、不安感の威力を減らすために「現状維持」以外の安定感を得る方法を探して、次々襲いかかってくる不安感対策をしませんか、とご提案しました。
その方法の一つが前回の「不安×自分軸」です。自分軸を武器に不安感と向き合うことによって、「不安定さ」を「可能性」に変えていくことが出来るのでは、とご提案しました。

そして今回はその発展バージョンとして、不安感を抱えつつ自分軸で判断出来るようになるための心の余裕作りとして「セルフコンパッション」をご案内します。


1.不安×自分軸=可能性に育てるためのセルフコンパッション

なぜ、セルフコンパッションがあると、不安感を可能性に育てることが出来るのでしょうか。


セルフコンパッションとは「自分に対して慈悲をもって接する」という意味です。
辛い時悲しい時、その自分の心に自分で共感し寄り添い、労わることです。

体調が悪かったり悲しくて泣いている時、励ましの言葉よりもそっと背をさすってくれることの方が嬉しかった経験はありませんか?
コンパッション(慈悲)とは、その「さすってくれる手」のようなものです。

辛い状態が解決するわけじゃない。けれど自分は一人じゃないと感じられる、それによって波立っていた感情が少しずつ凪いできて、本来の自分を取り戻すことが出来るようになります。

不安感に対して自分軸をもって向き合うとき、感情を持て余したままだと「自分らしい判断」をするのは難しいです。
セルフコンパッションな態度で自分と向き合うことで、いつもの自分を取り戻すことができ、自分軸で後悔しない判断をすることが可能になります。


2.ケアラーにとってセルフコンパッションとは何か

まず、セルフコンパッションとはなにか、を復習も兼ねてご案内いたします。


自分に優しくする力が、自分軸をつくる 

-セルフコンパッションのススメ-
https://keizenan.net/2025/10/20/be-kind-to-yourself/



セルフコンパッションとは先ほどもお話したように、「悲しみの中にいる人にそっと寄り添い労わるように、自分自身の辛さと向き合う姿勢」のことです。
セルフコンパッションには3つの要素があります。


  1. 自分自身に優しくする
  2. 辛い体験は古今東西全ての人間に共通する体験
  3. マインドフルネス


辛く苦しんでいる自分自身の背景を汲み取り、厳しい言葉を向けるのをやめ、失敗やミスを責めるのではなく「どんな人もやることであり、世界中の人がそのつらさと向き合っている」ことを思い出して孤独感を和らげ、今この瞬間感じている自分の感情に向き合って何をどう苦しんでいるのかを理解する。

それによって、自分らしさを見失わず、自分を信じながらしんどい毎日と向き合い、「なりたい未来」を諦めないで目指し続けることが出来るようになります。

このセルフコンパッション、まさにケアラーには必要な要素だと思いませんか?



「自分を甘やかす場合じゃない、やらなきゃいけないことだらけなんだから泣いている暇は無い」
「どうしてこんなに辛いんだろう、こんなのきっと私だけだ。誰も私の気持ちは分かってくれない」
「今はいいとしても明日、3ヶ月後、来年は? それを考えたらいてもたってもいられない」



こうした私たちの悩みや心の声に答えを教えてくれるのがセルフコンパッションです。


3.他者にばかりコンパッションを向けるのがケアラー

セルフコンパッションの内容を聞いて、「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
そうなんです、私たちケアラーは、他者には、特に家族に対しては非常にコンパッション(慈悲的)な態度で向き合っているのです。



  • 辛いと言えば話しを聞き、共感し、何かできることはないかと思案する。
  • ○にたい、居なくなりたい、自分は役立たずだ、駄目な人間だ、と荒れ狂う家族に「そう言う病気なんだよ、あなたに価値がないわけじゃない、病気が言わせてるんだよ」と思い出させる。
  • どうせよくならないと治療や療養を諦めようとする家族に「まだ少し様子を見ようよ、今はまだ効果が出てないだけじゃないのかな」とマインドフルに現状を説明する。



他の状況も含めて、きっと家族に対しては出来てますよね。
なのに、それが「セルフ」となると出来ない。やり方が分からない、戸惑う、または「やってはいけない」とすら思う。

他者にはコンパッションできても自分にだけ出来ていないのがケアラーなのです。
同じ理屈を自分に向けるだけなんですよね。でもそれが難しいんですよね。


4.ケアラーにとってハードルが高いのが「自分へのコンパッション」

なぜ私たちケアラーは自分に対して慈悲を向けることが出来ないと思いますか?
この理由はきっと人それぞれ違うと思います。

「そんな暇ない」
「不要とは思わないけど優先順位は低い」
「自分に優しくすると気が緩んで踏ん張れなくなりそうだから」
「自分に優しくするやり方が分からない」
「自分に必要だと思わない」

色々あると思います。
ちなみに上記で挙げた理由、以前の私は全部当てはまるかもしれません(笑)

なぜそこまでして「自分を除外」しようとしていたのか。
それは「自分のことを除外した上で守られている今の生活の安定」に重きを置き過ぎていたんだと思います。
何をおいても守らなければいけないのは「ギリギリ安定を保てている今の生活」だった。
セルフコンパッションを紛れ込ませることで、それが崩れてしまったら絶対後悔する。

それくらいなら、このままでいい。

それが答えかも知れません。

しかし最初に申し上げたように、次々湧き上がってきては途切れることのない不安感に、自分が納得する方法(自分軸)で対処しようとしたら、やはり自分のコンディションを整えておくのは必須です。


その為のマインドセットの一つが「セルフコンパッション」なのだと思います。


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