自分の変化に気づくとき ― うまくいかない違和感が教えてくれるサイン
自分の変化を求める人は、「もっと成長したい」「このままでは終わりたくない」と思い、学んだり努力したりしますよね。
でも自分が本当に変化しているのか実感できない。そんな感覚を持ったことはないでしょうか。
実は、自分の変化はとても気づきにくいものです。しかもその兆しは、達成感や自信ではなく、「うまくいかない」「思った通りにならない」といった違和感やネガティブな感情の形で現れることが多いのです。
この記事では、自分の変化がどんな形で現れるのか、そしてそれをどう捉えればいいのかを整理してみたいと思います。
1.自分の変化には自分が一番気づきにくい
あなたは成長したい、変化したい、という思いはありますか?
大きな変化成長を目指しているのではなくても、「ずっと今のままの自分で不変でいたい」と思う方は少ないのではないでしょうか。
それは当然のことで、何故なら人には「自己実現欲求」が備わっているからです。
- 「もっとできるようになりたい」
- 「ここで止まりたくない」
- 「もっと自分らしい生き方があるはずだ」
こうした言葉を思い浮かべたとき、自己実現欲求が強く湧き上がって来た瞬間です。
だからきっと何かしら学んだり、目標を立てたり、自分に課したりしているかもしれません。
けれど「成長した!」と実感できることは稀なのではないでしょうか。
何故でしょう。成長したいと思ってそのために何かしらやっているのに、本当に成長していないのでしょうか。
成長していない、のではないと思います。
成長として実感していないのです。
もっと言うと、変化・成長のきっかけを否定してしまっているのです。
変化成長の兆しは、実はポジティブな兆候ではありません。
多くは「自分に対するネガティブ感情」の形で現れるからです。
だからつい否定したりスルーしてしまう。そして変化成長に気付きにくくなる、という流れが出来上がってしまうのです。
2.変化成長の兆しが「ネガティブ感情」の姿を取る仕組み
なぜ、変化成長という望ましい状態の兆しが「自分へのネガティブ感情」として現れるのでしょう。
それは、変化しているのは自分だけではないから、と言えます。
人はだれしも自分だけの「成功法則」を持っています。
例えば「仕事上で困ったことがあっても、こういう方法で乗り切ることが出来る」みたいな、自信とセットになったマイルールです。家のことでも、人間関係でも、疲労や健康問題にもそれぞれあるかもしれません。
ただそれが、通用しなくなるタイミングが来ます。
いつもと同じように、より洗練されたスキルでマイルールを運用しているのに、何故か問題は解決しない。期待した結果にならない。
すると、「どうしよう」よりも先に、思うようにならない状況への苛立ちが起こります。
そして苛立ちを解消しようと、「量」で補おうとします。努力量、メンタルタフネス、時間をかける、のような感じですね。
それでもやはりうまくいかない。かけたコストに見合わない結果しか得られないことで無力感を感じます。同時に心身の疲労度も高まっていくでしょう。
ここで心の中で自己否定感が湧き上がってきます。だけどあなたはずっと努力して結果を残してきた人だから、自己否定はどうすれば覆るのか、も分かっています。そこにもマイルールがあるのでしょう。
それは「もっと自分自身が成長しなければいけない」というルールです。
すると今度は「自己成長」という違う方向へ目が向き、そのための研鑽と努力を積み重ねます。
きっとそれはそれで何かしら得るものはあるでしょう。
ただし、本来の目的だった「問題解決」と直結しない。だから自分が望む結果はやはり得られない。
「これ以上どうしたらいいんだろう……」と、途方に暮れることになります。
変化・成長の兆しが「自分へのネガティブ感情」として現れる、というのは、こうした流れがあるからなのです。
3.自分の変化は〇〇に現れる
①今までのやり方が通じなくなった
先ほどもお話したように、人には自分の経験と実績が生み出した成功法則があります。
何度も自分の苦難を解決してくれたスキルですから、何かあれば使います。
だけどそれがどこかのタイミングで有効ではなくなります。
スキルが鈍ったわけでも、自分が油断したり怠けたわけでもない。
だけど目の前の問題に対して期待した効果は得られなかった。
これは何が変化したのでしょう。
あなた自身でもスキルでも成功法則でもありません。
あなたが向き合う問題の質が変化したのです。
②選択肢が少なく感じるようになった
自分が変化している最中は、何故か取れる選択肢が少なくなります。
それは構造の「ズレ」によるものです。
自分自身:今までのやり方が通用する構造の中にいると思っている
実際には:新しい構造に変化し始めている
この二つの輪が重なる部分にしか、あなたがとりえる「選択肢」は見つかりません。
だから以前より、選択肢が減ったように感じるのです。
③正しいと思っていたことに疑問を感じる
成功法則やマイルールがあるなら、「これが正しいのだ」という基準もあるでしょう。
正しい、自分に合っている、自分らしい、などですね。
それに対して疑問を感じる場面が出てきます。
例えば「仕事は完璧に仕上げなくてはならない」と思っていたとします。
それが通用している間は問題ありません。
しかし、「仕事」の質が変わったらどうでしょう。
例えばチームで取り組むことで一定の成果を出すことを期待されているとしたら、自分一人で「完璧」を目指しても叶いにくいです。
更には「求められているのはそこじゃなかった」と思うこともあるでしょう。
自分の変化・成長は、違和感から始まるのです。
4.変化は自分の一人の中で完結しない
①周りから何を求められているか
子どもと違い、大人の「変化・成長」は一人では完結しません。
周囲を巻き込むし、周囲との関わり方や関わりの質も変化します。
まず、周りから「求められるもの」が変わってきたことに気づくでしょう。
それは役割だったり、責任だったり、何を与えるか、などかもしれません。
この変化に気づいていないと、従来の成功法則だけで突き進もうとして壁に突き当たってしまいます。
「自分だけが頑張ればなんとかなる」ものを求められていたフェーズが終わり、「それだけでは完結しない何か」を周囲から求められているのかも。
とすると、問題を解決するためには「今これからの自分に求められている役割は何か」を知る必要があるでしょう。
②周りへ何を返そうとしているか
これも変化を知るための手がかりになります。
人には成長欲求がある、とお話しました。
そして成長すれば、他者との関わりの程度が高まったり濃くなったりします。
周りから必要とされたい、という欲求の裏を返すと「自分には何ができるのか」になります。
自分自身が成長すれば、「何ができるか」も成長しますから、成長した自分だからこそ周囲に与えられるものを与えたい、と考えるのも自然なことです。
③相互作用の中で見えてくる「新しい前提」
こうした、「外から求められるもの」と「自分の内側から起きたもの」を両方並べて眺めてみると、自分はどんな前提で考えたり行動すればいいのか、も、書き変わります。
最初に「経験から生み出された成功法則」とお話しましたが、これが変化するのです。
ずっと「自分が頑張れば何とかなる」世界で生きてきたのです。
しかし今、あなたはその前提が通用しない世界に足を踏み入れています。
これは停滞ではなく、人生のフェーズが変わったサインなのです。
とすると、これから自分はどんな前提で考え、選び、行動するのが相応しいのだろうか、と考え始めます。
ここまで来たら、あなたが成長したかどうか、は、明らかですよね。
5.まとめ:私自身も同じ状態でした
実はこの記事を書いている私自身も、同じ状態でした。
うつになった夫との関係の中で「私が生活を回さなければいけない」と思っていて、ずっと一人で背負っていました。
不安や怖さがあっても、大丈夫なふりをしていました。
そしてある時期から、思ったように回らなくなりました。同じやり方をしているのに、行き詰る、苦しい、イライラが止まらない。
そこで初めて「これは頑張るとかそういう問題じゃないのかもしれない」と気づいたんです。
当時の私は完全に「一人相撲」をしていました。
状況が変化しているのにそれに気づかず、昔のやり方で乗り切ろうとしていたのです。
変化に気づいたのは、大きな何かをしたからではありません。
「嫌」「怖い」「その話はしたくない」という気持ちを、爆発する前に言葉にするようになってからでした。
すると少しずつ、夫婦関係の中の役割が動き始めました。
夫婦間の役割に変化が起きると、自分の中の「私は何をしたらいいんだろう」という前提も変化しました。
今思えば、あの違和感は「自分が変わる入り口」だったのだと思います。
もし今、同じような違和感を感じているなら、それは何かのサイン、契機かもしれません。
ただ、その正体を一人で整理するのは難しいこともあります。
そこで、私のメルマガでは「一人で背負ってしまう構造」に気づき、整理するヒントをお届けしています。
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