【Vol.15】ケアラーが自分の限界を知るのが怖い、本当の理由

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家族支援
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「自分の限界なんて、とっくに分かっている」と思いますか?
それとも、「限界なんて考えている場合じゃない。私が頑張らなきゃ」と思うでしょうか。

ケアラーにとって、自分の限界を知ることは意外と難しいものです。なぜなら、限界を認めたら今の生活を守れなくなるように感じるから。
だから限界を超えてでも頑張る。けれど、それを続けていれば、いつか本当に立ち行かなくなります。

自分の限界を知ることは、諦めることではありません。今あるものをどう使い、どう生活を守っていくかを考えるために必要なことなのです。


1.自分の限界、知ってますか?

キャパシティ、とか、容量、なんて言い方もしますが、人にはそれぞれ「自分の限界値」があります。

まず物理的な限界です。言い換えれば「時間」です。
これはどうあがいたところで1日24時間しかありません。それを1年なら365回繰り返すことが出来る。

次に身体的が限界です。「体力」ですね。
個人差はあれ、どれだけ若くて健康でマッスルもりもりでも、1日にこなせる作業量には限界があります。

三つ目は精神的な限界です。「責任感」と言い換えることも出来ます。
この三つ目が一番厄介です。
なぜなら「精神力は無限」みたいに思っているふしないでしょうか。
「物は考え方次第」「やる気になれば何でもできる」という言葉は嘘ではないと思いますが、じゃあ精神力は「どんな限界も突破できる魔法」だと思ってしまうと大間違いです。

この3点、時間・体力・責任感の持ち方。
これらの「自分の限界はどのあたりか」は、見極められていますか?


2.自分の限界を見ようとしない最大の理由が「恐怖」

「自分の限界、見極めることが出来ていますか?」
と聞いた後ではありますが、おそらく出来ていないのではないでしょうか。

それは当然です。
なぜなら私たちにとって、自分の限界を知ろうとする・自分には限界があると認識することは恐怖でしかないからです。

私たちケアラーが常に考えていることは、「今の生活をどうやって維持・守るか」ということです。


何があっても壊したくない、崩したくない。


その思いの前で「自分の限界を見極めよう」と言われるのは、「今の生活を絶対に守りたい」という願いを否定する言葉に聞こえるのです。
私たちが限界突破してでも無理し続けなければ生活は守れない、そう思っているんですよね。

だから、自分の限界を分かってないんじゃないんです。
分かるのが怖いんです。


3.なぜ自分の限界を見誤ってしまうのか

そのお気持ちはめちゃくちゃわかります。だって私もそうでしたから。
そして、限界を超えて色んな問題を引き起こしました。

自分には限界があることを知るのは恐怖です。
でもそこから目を逸らしたままだと、むしろ今の生活を守りたい、という目標を自分の手で壊すことになるのです。
とんでもない葛藤です。

先ほど「自分の限界を度外視して頑張らなければ今の生活は守れないから」、というケアラー側の心境をお話しました。
でも実際は、限界突破したやり方を続ければ、どこかで破綻します。

なぜこのズレが起きてしまうのでしょうか。

恐らく今まで、何かしらの「限界を度外視して頑張る」ことで成果を得た経験があるから、というのが理由の一つです。
分かりやすいのは試験前の「一夜漬け」勉強法です。
テストの前日、寝ないで勉強してそのままテストに望んでそこそこの点数を取れた。こんな経験があるのではないでしょうか。
一夜漬けして結果を出すって、誰でも出来ることではありません。
そもそもテスト前日にほぼ寝ないで勉強する集中力自体、誰でも発揮できるわけじゃありません。それを必要な場面で発揮できる「スキル」があるんですよね。それが今ネガティブに発揮できてしまっている。

二つ目は「無理をして頑張るのは今だけ」と錯覚してしまうこと。
例えばうつ病になって仕事を休職すると、大抵は「3ヶ月」くらいです。となると、その3ヶ月の間だけ頑張ればいいって思っていないでしょうか。

でも実際はそうじゃないんですよね。
休職期間が明けたところでケアは必要です。いきなり本人がフルで頑張れるようになるわけではありません。
しばらくはケアや配慮は必要です。回復したら全部終わり、ではないのが精神疾患ですから。


一見「有期限」、でも実際は「半無期限」な中で、一夜漬けのような無茶をやり続けているのです。確実に自分の限界を超えてしまいます。


4.自分の限界を知るとは、どういうことか

そんな私たちだからこそ、自分の限界を知ることは必要なのです。
限界がある=これ以上頑張れない、ではありません。
限界を知ることで、今持っているものを有効活用出来るようになるのです。
地球の資源と同じです。例えば水は無限じゃない。大事に使おうと思うから色んな工夫が生まれて、長く使い続けることが出来ているのです。

では、私たちにとっての「自分の限界」とは、どこを見ればいいでしょうか。主に以下の5つです。


  1. 時間
  2. 体力
  3. 緊張感
  4. 責任
  5. お金


時間とお金は数値化出来るのでわかりやすいですね。
ただ時間については「睡眠時間・休息を度外視する」という落とし穴がありますので気をつけたいです。

緊張感も、何時間も持続し続けることは出来ません。1日に重要かつ大事なタスクはや話し合いをいくつも盛り込むのは危険です。

責任も同様です。本当に背負わなければいけない責任は1~2つくらいなはずです。
例えば家族をケアしなければいけないときに、町内会の役員を引き受けるのは無謀です。断っていいんです。

自分の限界を認識し、従来のやり方・決め方を変えていくことが、「無茶をしなっきゃ生活が破綻するのでは、という恐怖」への対策に繋がるのです。


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