「正しいやり方」があるからこそ問題が解決しない理由とは
あなたにはあなたが自信を持っている「私の正しいやり方」があると思います。流儀、と言ってもいいでしょう。
仕事の進め方、人との関わり方、日々の過ごし方。
意識していなくても、これまでの経験から自然と身についているはずです。
そして私たちは、その「正しいやり方」を前提にして、物事を選び、行動しています。
けれどある時から、同じやり方をしているのに、なぜか上手くいかなくなる。
そんな違和感を感じたことはありませんか?
1.このやり方が正しい!という思いが足をひっぱる
あなたには、「このやり方が私流」みたいな、ご自身の流儀はありますか?
意識しているかどうかは別として、きっとあると思います。
- 仕事上の流儀
- 人づきあいの流儀
- 余暇の過ごし方の流儀
どれも全部、使い慣れた道具のように体や生活に馴染んだものです。
だから、意識しない。
考えるまでもなく、自分にとってはそれが正しいやり方だから。
そして、常に、どんな時でもそのやり方を使うことを前提として、物事を組み立てます。
スタート地点があなたの「正しいやり方」なんですね。
そこから「こうなりたい」「これを手に入れる」を目指します。
が、ある時からそれが上手く行かなくなる。
「ん?」って思うこと、ありませんか?
あなたが今まで散々使い倒してきた正しいやり方を今回もちゃんと使っているのに、何故か計画通りに進まない。
何が悪いんだろう。
組み立て方かな、タイミングかな、他人が邪魔してるのかな、自分の努力が足らないからかな。
多角的な視点から考察するでしょう。そしてリトライする。けど結果はイマイチ。
多角的考察のなか「正しいやり方」だと思っていたそれが、実はマッチしていないのでは、という視点だけが漏れていることに気づきましたか?
【おすすめ書籍】「自分軸をたてる本」(Amazon)
2.そこまでやり方にこだわるのはなぜ?
自分流の「正しいやり方」に、再検証対象にすらしないほどこだわるのはどうしてでしょうか。
それは、そのやり方があなたの過去の経験と実績から生まれた、あなたが作ったものだからです。
たとえばこれが
- 誰かに教えてもらったやり方
- 一般的に正しいと思われているやり方
であれば、そこまでこだわることは無いはずです。
なぜならそのやり方に、あなたの血は通っていないから。
血とはこの場合あなたの実体験です。
人は、頭で理解しただけのものは自分のものとは考えません。
実際にやってみて、その体験を通じて知識を「自分のもの」にします。
今あなたがこだわっている「正しいやり方」は、一から十まで全部あなたの経験から出来上がっています。
やり方、というよりあなたの一部なのです。
自分で見ているものを受け容れられないからと言って、眼球を疑う人はいないですよね。
それくらいそのやり方はあなた自身でもある。
だからこそ、疑うことはないのです。
それゆえに、いつまで経っても望むものが叶わない、手に入らない、到達しないのです。
3.正しいやり方が間違った結果をうむ矛盾
今のあなたが生んだ「正しいやり方」は、方程式を持っています。
○○の状況
+
▲▼という関係者
+
☆☆という自分の役割・責任
これを全てテーブルに並べて「□□という目的地」までたどり着くための、自分を乗せて走ってくれる車のようなものです。
あなたが考えるのは「どのルートを通るといいのか」です。
乗っている車自体が間違っているとは考えない。
あなたは「道路」だと思っているかもしれませんが、実はもうそこは海かもしれない。
だとしたら水陸両用車、またはボートでなければ目的地にたどり着かないのに、あなたはそれは考えない。
- ずっと走っていればいつかたどり着くだろう
- 昼夜問わず走り続けるしかない
- 同乗者を変えてみよう
こんな調整を繰り返しているのです。
4.今やるべきことは、やり方の適性を再確認すること
あなたが経験と実績から作り上げた「正しいやり方」を続けることが、実は「正しくない結果」を生んでいるのです。
ここで一つ断っておきたいのは、やり方が「間違っている」ということではありません。
そして「正しい」と思え、とも言いません。
本来、やり方に「正しい」「間違っている」は無いのです。
今の状況や目的達成を基準に、「最適な方法は何か」なのです。
そしてこれは都度変わってくるものなのです。
けれどあなたは、状況や目的はさほど考慮せず、ずっとその「正しいやり方」で突き進んできました。そしてある程度の成果を出してきた。
だから「やり方」に対して盲目的になってしまっているのです。
先ほどの乗り物の例がそうですが、状況や環境で、適したやり方や道具は変わります。
変わって当然なのです。
あなたにとっての「正しいやり方」だけが例外、ということは無いのです。
5.自分の中の数式を、崩す
1+X=10
という数式なら、X=9ですよね。
けれどあなたはずっと、どんな数式だろうがXを固定してきました。
Xは変数なのに、同じものばかり当てはめて来た。
数学のテストなら確実に✕です。でも現実は違いますから、出た結果を解釈や補足を付け足すことで「正解」っぽく見ることも出来ていたでしょう。
けれどもう、そうした補足も聞かないほどのズレが生じてきているはずです。
Xは、あなたにとっての「前提」です。
前提とは「当たり前、土台、マイルール」です。これを崩しましょう。
「どうして崩さなければいけないのか。長くこれで回って来たのに」
違います。前提を固定化させても回る構造の中にいた、ということです。
そしてそれが出来なくなった、ということは、構造そのものが変化し始めている、ということです。
「自分が作り上げた正しいやり方で全てを切り回す」という前提は、今までの構造の中でなら何とかなりました。
しかしもう、その構造自体が変化し始めているのです。先ほどの車の例でいくと、道路があったはずの場所が海になっているようなものです。
だから、自分の正しいやり方にこだわると、目的地にたどり着かなくなってしまっているのです。
前提を一旦手放し、フラットな視線で状況を見る。
それが今、これから、あなたに必要です。
6.まとめ
これまであなたが成果を出してきた「正しいやり方」は、間違っていたわけではありません。むしろ、その時の状況や環境の中では最適な選択だったはずです。
しかし今、同じやり方を続けているのに結果が伴わないとしたら、問題は努力や能力ではなく「前提」にあります。
自分の経験から作り上げたやり方ほど疑いにくく、見直しの対象から外れやすいものです。だからこそ、変化した状況に適応できず、同じ選択を繰り返してしまう。結果として「頑張っているのに進まない」という状態が生まれます。
必要なのは、新しいやり方を探すことではなく、自分がどんな前提で物事を選んでいるのかを見直すことです。
ただ、この「前提」は無意識に組み込まれているため、一人で捉え直すのが難しい領域でもあります。
だからこそ、今の自分の状態や構造を言語化し、整理していく視点が必要になります。
この視点については、メルマガで具体的に扱っています。
≪完全オンライン対応≫
恵然庵(けいぜんあん)
所在地: 千葉県我孫子市
keizenan@gmail.com
NEW
-
2026.10.11
-
2026.10.08ケアラーの悩みを「問...私たちケアラーは、常に生活・将来についての悩み...
-
2026.10.03「自分を知る」と、判...ケアラーの毎日は、責任を背負う判断と選択の毎日...
-
2026.09.28言いにくい相手に、言...前回は、「「言いたいことを言えない」のはなぜか...
-
2026.09.20【Vol.16】ケアラーが...「いつもありがとう」「頼りになるよ」と言われた...
-
2026.09.15【Vol.15】ケアラーが...「自分の限界なんて、とっくに分かっている」と思...
-
2026.09.10【Vol.14】ケアラーが...ネガティブ感情は怖いです。いやです。感じたくな...
-
2026.09.03【Vol.13】ケアラーを...前回の記事では、ネガティブ思考とネガティブ感情...
CATEGORY
ARCHIVE
- 2026/103
- 2026/095
- 2026/086
- 2026/076
- 2026/065
- 2026/054
- 2026/044
- 2026/035
- 2026/024
- 2026/015
- 2025/125
- 2025/114
- 2025/107
- 2025/099
- 2025/088
- 2025/079
- 2025/0610
- 2025/0512
- 2025/0416
- 2025/0310
- 2025/024
- 2025/014
- 2024/125
- 2024/114
- 2024/106
- 2024/095
- 2024/088
- 2024/075
- 2024/064
- 2024/054
- 2024/046
- 2024/035
- 2024/026
- 2024/017
- 2023/128
- 2023/119
- 2023/109
- 2023/099
- 2023/0813
- 2023/0718
- 2023/0618
- 2023/0518
- 2023/0418
- 2023/0319
- 2023/0224
- 2023/0116
- 2022/1215
- 2022/114
TAG
- うつ病
- カウンセリング
- 睡眠
- スキルアップ
- 心の病
- ストレス
- 発達障がい
- 環境
- コミュニケーション
- 仕事
- 自己肯定感
- 自己分析
- 福祉制度
- 生活習慣
- 心理学・福祉用語
- メンタルケアラー
- 社会復帰
- リフレーミング
- 課題の分離
- セルフコンパッション
- 心理的安全性
- セルフケア
- 家族の役割
- 認知の歪み
- 共倒れ
- 回復
- 寛解
- 再発予防
- 相互理解
- 解決志向
- 心得
- 共感
- 共感疲労
- 体験談
- 心のケア
- 支え方
- 心がしんどい時
- ストレスケア
- 距離感
- ネガティブ感情
- 感情コントロール
- 助けを求める
- 頼る力
- 心のSOS
- 成功体験
- モチベーション
- 自己受容
- 自分軸
- 接し方
- 自分と向き合う
- 共依存
- 自己開示
- 自責思考
- 頑張り過ぎる
- 罪悪感
- 優しさ
- 甘え
- コミットメント
- 自己尊重
- 心の声
- 承認欲求
- 自己否定
- 自信
- 自分らしさ
- 意思表示
- アサーション
- 孤独
- 自分を守る
- 優先順位
- 人と比べる
- 他人の気持ち
- べき思考
- 愛着障害
- 過去の経験
- 人に合わせる
- 適応
- 自己理解
- 視点を増やす
- 感情を受け容れる
- ストレングス
- 自己矛盾
- 自己決定
- 問題解決
- 正解探し
- 他人の目
- 役割
- 自己犠牲
- うつ病の回復
- RAS
- 境界線
- コンプリメント
- 気持ちの切り替え
- 自分を責める
- 一人で抱え込む
- 弱音
- 一人で頑張る
- 頼らない
- 決められない
- 自立する
- 自分の変化
- 価値観
- 理解されたい
- 不安を落ち着かせる
- 正しいやり方
- 焦り
- タスク消化
- モヤモヤ
- 評価されない
- 停滞感
- 自負心
- 手詰まり感
- 回避
- 普通
- 義務
- エンパワメント
- 無力感
- サステナビリティ
- 不安
- 報われない
- 頑張る意味
- 違和感
- 評価軸
- 自分の気持ち
- 現実
- ネガティブ思考
- 自分の限界
- 言いたいこと
- 言いにくい
- 自分を知る
- ケアラーの課題
- 利己主義