言いにくい相手に、言いたいことを伝えるコツとは? ―『どう言うか』より大切なこと

query_builder 2026/09/28
メンタルケア家族支援
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前回は、「「言いたいことを言えない」のはなぜか」を一緒に考えていただきました。
言いたいこと、伝えたいこと、言わなければいけないことがあるのに「言えない」理由の一つが「自分の中にある抵抗感」です。

これは自分の内側の話ですね。そしてコミュニケーションとは相手がいて成り立つものです。「言えない理由」が相手側に起因する場合ももちろんあります。

今回は、相手の反応が気になる、だから言いにくい、という場合の向き合い方について考えたいと思います。


1.「言いたいこと」には、これからの自分の行動が隠れている

「言いたいことを言う」と聞くと、思ったことを言いたい放題口にする、というイメージかもしれませんが、もちろんここで取り上げるのはそう言うことではありません。
もしそのような内容なら、相手の反応を気にして「どうしたらいいだろう」と悩むことはないですもんね。言いやすい相手を探して言うだけです。

言いにくい相手に言わなければならない。でもどうしたら……、と悩むなら、その場合の「言いたいこと」というのは、自分にとって、そして相手にとっても大事な内容だから、ではないでしょうか。
更に言えば、「なぜそうまでして伝えなければいけないのか」です。伝えること自体が終着点じゃない、その先の行動や計画があるから「どうしようか」と思い悩むのではないでしょうか。

だとしたら「言いにくいから言えない」で立ち止まることは出来ないですよね。


2.言いにくい相手に伝えられないのは、「相手の反応」が怖いから?

そして私たちケアラーにとって「言いたいことを伝えないといけないけど、言いにくい相手」といえば、ほとんどが「ケア対象の家族」、ではないでしょうか。

『どうして家族なのに言いにくいの?』
そりゃそうです、病気による波とその影響を、私たちは知り尽くしているからです。
そして心の病の症状は、周囲からの刺激でいくらでも上下します。
相手にネガティブな変化を引き起こす可能性が高い内容なら、躊躇して当然です。

そしてもう一つ理由があります。
「言いたいことを伝える」=「相手に了承させなければいけない」、と思っていないでしょうか。または「○○な反応が返ってこなければいけない」みたいな。
相手の反応や返答まで、伝える前に限定してるんですよね。
そりゃ、言いにくいと思ってしまうのも無理はありません。

他人の反応や解釈は、相手の性格や状態を理解しているとしてもコントロールできるものではありません。
ならば、「言う側」に出来ることは何か。
それは「話し合いの材料」へつながる言葉を用意しておくことです。

ここでご提案したいのが、アサーティブコミュニケーションの「DESK法」です。



➊Describe(事実を述べる)
➋Express(気持ちを伝える)
➌Specify(具体的な提案をする)
➍Know consequences(結果を伝える)





この➌と➍がポイントです。
自分の意見を➊と➋で伝える。そこでまず相手の反応を探る。どんな反応や返答が返ってくるかは、この時までは固定する必要はありません。
そして相手の反応次第で


➌=具体的な提案をする(2つか3つ)
➍=その提案ごとの「これをやった場合こうなると思う」を伝える
↓
相手に感想や意見を聞く
↓
「じゃあ、どうしようか」の「相談」に繋がる

のです。


このDESCのやり方をやりましょう、ということを申し上げたいわけではありません。
こちらの言いたいことを言いにくい相手に伝えるときの態度として、結果まで固定する必要はないんだ、何故なら「結果」とは、相手と相談の上で決まるものだから、という流れを知っていただきたくて、DESK法を例に出しました。


3.「どう言うか」より、「何を理解してほしいか」を決める

つまり、言いたいことを言いにくい相手に伝えるときに重視して欲しいのは「どういう言い方をするか」ではなく、こちらが「何を理解してほしい」と思っているのか、を、まずはしっかり押さえておくのが重要なのです。



例えば「来年、町内会の役員を引き受けなければいけないかもしれない」という問題があったとします。
これは、何故伝えたいと思っているのでしょうか。


  • やるかやらないかを決めなければいけないから
  • やるとしたら来年は仕事以外の日も忙しくなるから
  • やらない、という選択肢は取れないのが実情だから


など、色々あるでしょう。ここで「本当に伝えたい」ことは何でしょうか。
分かりやすいのは「5W1H」です。
誰が? 何を? どこで? いつ? なぜ? どうやって?
これのどれに自分の「伝えたいこと」が当てはまるのか。


  • 誰が?⇒自分が? 家族が?
  • 何を?⇒町内会の役員
  • どこで?⇒町内会で
  • いつ?⇒来年
  • なぜ?⇒持ち回りで、順番が来たから
  • どうやって?⇒それは役員会で決まるから未定


だとしたら、自分が一番伝えたいこと・悩んでいることはどれなのか、です。
そこを外して「言い方」にこだわってしまうと、折角話し合っても消化不良で終わります。結局また自分の負荷と無理が増えるだけです。

自分が伝えたいことの「核」はなにか、が重要なのです。


4.言いたいことを伝えることは、相手を思い通りにすることではない

自分が「言いにくい相手だけど、言いたい、言わなければいけない」と思っていることとは、限りなく自分の本心に近い思いです。そして伝えること自体が目的なのではない、本来の目的は「伝えたことでどうなりたいか」です。

そしてこの「どうなりたいか」は、こちらが100%決められるものではありません。相手にも考えがあります。
伝えたうえで、その先をどうしたいのか、は、「決定」ではなく「提案」として伝えればいい。

その為にも「何を伝えたいのか」の核は、自分でしっかり押さえておきたいですね。


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