セロトニンとは何者?
心の問題に取り組んでいると、必ず出会う「セロトニン」。
抗うつ薬(SSRI)も「セロトニン再取り込み阻害薬」ですから、とにかく関係があるということは理解できます。
では、心に大きく関与するセロトニンとは、一体何者でしょうか?
1.セロトニンとは
「必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質の一つ。ヒトでは、ドーパミン、ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをするほか、生体リズム、神経内分泌、睡眠、体温調整などに関与する」(wikipedia)
『精神を安定させる』というのですから、思い切りメンタルに関わってきますね。
セロトニン、と一口に言っても、全体の9割を占める腸内のセロトニンは、直接脳に作用することは出来ません。
脳内セロトニンは、脳の中の「脳幹」で夜眠っている間に分泌されます。ですから夜しっかり眠れないと、セロトニンの分泌量が減り、メンタルが不安定になります。
(出典:https://medicalnote.jp/contents/150918-000001-HCXWEA)
さらに、脳内に作用するセロトニンを増やそうとしたらトリプトファンの摂取がかかせません。
トリプトファンも必須アミノ酸の一つですが、これがセロトニンを生み出してくれます。
つまり、心を安定させてくれる脳内セロトニンを正常に分泌するためには、トリプトファンを摂取し夜しっかり眠る必要があるのです。
2.セロトニンの役割
全セロトニンの約9割は腸内に存在する、と上述しました。
腸内セロトニンは直接脳へ入っていけないので、脳へ働きかけることは出来ません。
しかし腸壁のセロトニンは、腸内環境の改善に役立ちます。
腸の環境が整うことは、自律神経のバランスをとるために重要です。
自律神経のバランスが崩れていると、睡眠の質が下がったり、眠れなくなったりします。
睡眠の質が下がれば、夜寝ている間のセロトニン分泌にも影響します。
脳内セロトニンが正常に働かないと、心が不安定になります。
ということは、腸にあるセロトニンも、間接的に脳内セロトニンの働きを助けていることになります。
自律神経はそれこそ健康の縁の下の力持ち的存在ですから、その自律神経のかなめともいえる腸内環境改善に一役買っているセロトニンは、脳だけでなく体全体の健康に影響を与える物質ともいえます。
3.セロトニンが不足するとどうなるか
セロトニンが不足すると、不安が強くなったりイライラすることが増えます。
自律神経のバランスが崩れ、副交感神経の働きが弱まるため、交感神経が優位になり、血管が収縮することで血流が悪くなり、脳内含めて体内に十分な酸素と栄養がいきわたらなくなります。
脳内の酸素不足は集中力の低下を招きます。体内の血流が低下すると免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。
不安やイライラが募ると、夜寝ようとしてもその感情が頭をよぎってリラックスできず、睡眠のスイッチが切り替わりません。ベッドの中で眠れず悶々と過ごす…、というのは、誰でも経験があることだと思います。
セロトニン不足だけが心身の不調の原因ではありませんが、健康を守るシステムである自律神経に大きく影響することは事実です。
4.セロトニン分泌を安定させる方法
1つは上述した「トリプトファン」の摂取です。
トリプトファンはタンパク質に含まれます。
食材では、肉、魚、豆、ナッツ、豆乳や乳製品などに豊富に含まれます。
他の栄養素同様、過剰摂取は逆に健康被害をもたらします。体重1kgに対して2mg必要ですので、体重60kgなら120mgとなります。
肉100g内に150~200mg含まれているので、1日3食栄養バランスに配慮した食事をしていれば摂取出来る量といえるでしょう。
ただ、食べ物から取り入れればいいわけではありません。トリプトファンを脳幹がセロトニンに生合成するためには「睡眠」がカギになります。
ですからもう一つの方法は「安定して質のいい睡眠を確保する」こと、ですね。
夕食は寝る3時間前には終わらせる、それが無理なら腹六分目くらいに量を抑える。
40度くらいの湯に10~15分くらい浸かる入浴をして体を温め、その熱が引いた頃に布団に入ります。
寝ながらのスマホは睡眠の邪魔になるのでNGです。
どうしてもやらなきゃいけないことがある場合は、先に90分しっかり眠ってから起きて後でやりましょう。
5.まとめ:セロトニンは心身の安定と円環関係
セロトニンが十分に分泌されるからメンタルが安定する、とも言えますし、リズムの整った生活を安定して送れているからセロトニンの分泌が安定する、とも言えます。
どちらが先か、原因か、というより、お互いが影響しあっている円環関係です。
今はいろんなサプリメントが販売されていますから、自分の希望や症状に応じて気軽に試すことができます。
しかしサプリメントを飲めば解決する、ということでもありません。あくまで補助です。
健康的な生活をゆったりした気持ちで送れるようにするためには何が必要か、を自分なりに考えて、出来るところから変えていくことで、結果としてセロトニンが安定的に分泌され、心のバランスも整っていくと思います。
≪完全オンライン対応≫
恵然庵(けいぜんあん)
所在地: 千葉県我孫子市
keizenan@gmail.com
NEW
-
2026.10.11
-
2026.10.08ケアラーの悩みを「問...私たちケアラーは、常に生活・将来についての悩み...
-
2026.10.03「自分を知る」と、判...ケアラーの毎日は、責任を背負う判断と選択の毎日...
-
2026.09.28言いにくい相手に、言...前回は、「「言いたいことを言えない」のはなぜか...
-
2026.09.20【Vol.16】ケアラーが...「いつもありがとう」「頼りになるよ」と言われた...
-
2026.09.15【Vol.15】ケアラーが...「自分の限界なんて、とっくに分かっている」と思...
-
2026.09.10【Vol.14】ケアラーが...ネガティブ感情は怖いです。いやです。感じたくな...
-
2026.09.03【Vol.13】ケアラーを...前回の記事では、ネガティブ思考とネガティブ感情...
CATEGORY
ARCHIVE
- 2026/103
- 2026/095
- 2026/086
- 2026/076
- 2026/065
- 2026/054
- 2026/044
- 2026/035
- 2026/024
- 2026/015
- 2025/125
- 2025/114
- 2025/107
- 2025/099
- 2025/088
- 2025/079
- 2025/0610
- 2025/0512
- 2025/0416
- 2025/0310
- 2025/024
- 2025/014
- 2024/125
- 2024/114
- 2024/106
- 2024/095
- 2024/088
- 2024/075
- 2024/064
- 2024/054
- 2024/046
- 2024/035
- 2024/026
- 2024/017
- 2023/128
- 2023/119
- 2023/109
- 2023/099
- 2023/0813
- 2023/0718
- 2023/0618
- 2023/0518
- 2023/0418
- 2023/0319
- 2023/0224
- 2023/0116
- 2022/1215
- 2022/114
TAG
- うつ病
- カウンセリング
- 睡眠
- スキルアップ
- 心の病
- ストレス
- 発達障がい
- 環境
- コミュニケーション
- 仕事
- 自己肯定感
- 自己分析
- 福祉制度
- 生活習慣
- 心理学・福祉用語
- メンタルケアラー
- 社会復帰
- リフレーミング
- 課題の分離
- セルフコンパッション
- 心理的安全性
- セルフケア
- 家族の役割
- 認知の歪み
- 共倒れ
- 回復
- 寛解
- 再発予防
- 相互理解
- 解決志向
- 心得
- 共感
- 共感疲労
- 体験談
- 心のケア
- 支え方
- 心がしんどい時
- ストレスケア
- 距離感
- ネガティブ感情
- 感情コントロール
- 助けを求める
- 頼る力
- 心のSOS
- 成功体験
- モチベーション
- 自己受容
- 自分軸
- 接し方
- 自分と向き合う
- 共依存
- 自己開示
- 自責思考
- 頑張り過ぎる
- 罪悪感
- 優しさ
- 甘え
- コミットメント
- 自己尊重
- 心の声
- 承認欲求
- 自己否定
- 自信
- 自分らしさ
- 意思表示
- アサーション
- 孤独
- 自分を守る
- 優先順位
- 人と比べる
- 他人の気持ち
- べき思考
- 愛着障害
- 過去の経験
- 人に合わせる
- 適応
- 自己理解
- 視点を増やす
- 感情を受け容れる
- ストレングス
- 自己矛盾
- 自己決定
- 問題解決
- 正解探し
- 他人の目
- 役割
- 自己犠牲
- うつ病の回復
- RAS
- 境界線
- コンプリメント
- 気持ちの切り替え
- 自分を責める
- 一人で抱え込む
- 弱音
- 一人で頑張る
- 頼らない
- 決められない
- 自立する
- 自分の変化
- 価値観
- 理解されたい
- 不安を落ち着かせる
- 正しいやり方
- 焦り
- タスク消化
- モヤモヤ
- 評価されない
- 停滞感
- 自負心
- 手詰まり感
- 回避
- 普通
- 義務
- エンパワメント
- 無力感
- サステナビリティ
- 不安
- 報われない
- 頑張る意味
- 違和感
- 評価軸
- 自分の気持ち
- 現実
- ネガティブ思考
- 自分の限界
- 言いたいこと
- 言いにくい
- 自分を知る
- ケアラーの課題
- 利己主義